私が勤める会社の専務と話す機会があったんです。その専務は競馬が非常に好きなのですが、彼曰く競馬は壮大な「近親相○の物語」とのことです。確かにそんな気がする豪雪でございます。というのも、実際にレースで競い合う競走馬たちは近い親族に共通の馬を持つことが多いのです。(例えばサンデーサイレンス産駒とか)
今日は「カレンチャン」のお話です。
カレンチャンという名前を聞いて何を思い浮かべるでしょうか。ウマ娘をプレイしている人にとっては数少ないスプリンターであり、ウマスタのインフルエンサーであり、アヤベさん(アドマイヤベガ)の同室であり。色々思いつくことがあるかと思います。
そんな彼女の特徴の一つとして、トレーナーのことをお兄ちゃん(お姉ちゃん)と呼びます。ええ、可愛い。
今回は彼女の呼ぶ「お兄ちゃん」が実在したというお話です。
競走馬としてのカレンチャン
さて、カレンチャンのお兄ちゃんの話をする前に、実在のカレンチャンはどのような競走馬だったのでしょう。
特筆すべきは彼女の成績。2011年にスプリンターズS、2012年には高松宮記念(いずれも芝・短距離のG1レース)で勝利。特にこの二つのレースを勝利した競走馬は「春秋スプリント制覇」とも呼ばれ、今までに達成したのは7頭。その中の一頭にこのカレンチャンがいるのです。
この二連覇に彼女を連れて行ったのが池添謙一という騎手。スイープトウショウやオルフェーブルといった気性難の馬を預けられることも多く、そんななかでも比較的大人しかったカレンチャンは彼にとっての癒しだったそうな。
またJRAのタイトル(称号的な)としては2011年に最優秀短距離馬に、2012年には最優秀4歳以上牝馬に選出されています。最優秀短距離馬という称号はその名の通り短距離で活躍した競走馬に与えられる称号で、サクラバクシンオーやタイキシャトルなども受賞しています。また最優秀4歳以上牝馬についても読んで字の如くで、他の馬ではエアグルーヴやヒシアマゾン、ウオッカが受賞しています。
このように、名だたる他の馬に負けず劣らずかなりの実力を兼ね備えた馬であると言えます。
カレンチャンのお兄ちゃん「スプリングソング」
そんな彼女のお兄ちゃんの話に移ります。
彼女のお兄ちゃんに「スプリングソング」という馬がいます。
この馬は母がスプリングチケット(カレンチャンの母親)、父がサクラバクシンオーという血統で、デビュー当初から活躍を期待されていました。
その活躍に応えるように新馬戦で勝利。その後はマイル路線に挑戦するも、NHKマイルC(G1)の敗北からかスプリンター路線一本に絞り、G1・G2での勝利こそないものの、それなりの成績を収め続け、獲得賞金は1億6千万円以上にも登りました。
そんな中、2011年5月3日に疝痛(腹部の臓器不良)を発症し、治療も虚しく同年5月8日に6歳という若さで安楽死を迎えました。実はこの年の4月30日に父であるサクラバクシンオーが心不全のため死去。競走馬としてだけでなく種牡馬としてもバクシンオーの後継として特に注目を浴びていたスプリングソングでしたが、そんなファンの願いは届きませんでした。
それがカレンチャンのお兄ちゃん、「スプリングソング」という競走馬です。
2011年というのはカレンチャンがスプリンターズステークスで初のG1勝利を収めた年です。志半ばで引退してしまったお兄ちゃんの無念を晴らしたともいうべきG1勝利。当時のスプリングソングについての掲示板でも、カレンチャンのG1勝利を報告しにいく人がちらほらみえ、少し感動してしまいました。
同じスプリンターとしての直接対決は叶いませんでしたが、彼女には志を同じくしたお兄ちゃんがいたのでした。
フィーユ・エクレール(閃光乙女)
ちなみにカレンチャンのガチャから排出された時の二つ名は「フィーユ・エクレール」。意味は閃光乙女というもので、育成の二つ名にもあります。(なお豪雪は無事未解放)
なぜこの二つ名が付けられたのか。
ヒントはこのサイト
このサイトによると、短距離走のことを電撃戦と呼ぶとのこと。そこから閃光+カレンチャンの名前から着想を得て乙女ではないかとあります。確かに納得の理由です。
また個人的には閃光はただの光ではなくかなり鋭く瞬間的な光を指すことから、カレンチャンがスプリンターとしてかなり活躍していたその功績にも則って、「閃光」という名を冠したのではないでしょうか。
いずれにせよ、まだまだ繁殖牝馬として現役なカレンチャンです。今後の活躍にも期待しましょう。
それでは。
現場からは以上です。