– 電気を運ぶ。それ以上でもそれ以下でもない -下小鳥線No.47氏インタビュー

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終始朗らかな微笑みでインタビューに臨む47さん

緑ノ:

下小鳥線No.47さん(以下:No.47)は下小鳥発電所で作られた電気を運ぶうちの一基であると伺っています。

No.47:

そうですね。27万ボルト以上の電気を運んでいます。標高も1,500メートルくらいのところに立ってるんです。

緑ノ:

寒そうですね。

No.47:

そら寒いですよ。(笑) でもまぁ、それが私たちの仕事なので。電気を運ぶ。それ以上でもそれ以下でもないです。多分街の方の鉄塔はそっちはそっちで問題を抱えてると思います。

47さんは関西電力株式会社さん所属の送電鉄塔の一基です。上半分が大きく、天辺が二つに分かれている「烏帽子型鉄塔」と呼ばれている形状をしており、また、その形状から「ネコ鉄塔」という愛称で親しまれています。

「ネコ鉄塔」と呼ばれていることに照れる47さん

No.47:

ネコ鉄塔ですか!(笑) えらい渾名付けられましたね、僕。ま、でもこういう形なんでね、そういうふうに言われることもありますよね。なんだかSNSでもたまにね、あるやないですか、鉄塔マニアみたいな人たちの投稿が。あれで前に「オニ鉄塔」って言われとるのは見かけたんですよ。……ネコかぁ……。面白いですね人間の感性は。

緑ノ:

そういったファンの方々に向けて言いたいことなどはありますか?

No.47:

そうですねぇ……。そのー、ま、僕だけじゃないんですけど、鉄塔って電線につながる碍子がついてるんですよね、碍子連って言うんですけど。これがねぇ、僕の場合前後についてる形になってるんですよ。今取れてますけど。で、その前後に碍子連がくっついてるのが「女鉄塔」と。で、前後じゃなくて垂直についてる場合があるんですけどそれが「男鉄塔」と、呼ばれてるんですよ。

実際にポーズを取る47さん

多分男の人のねガチッとした体型を重ねてそういう名前にしたんやろなぁとは思うんですけど、うちら鉄塔って、それは「耐張型」「懸垂型」って風に名前つけられとって、性別とかが別にないんで、「男らしい」とか「女らしい」って言葉が別に褒め言葉じゃないんですよね。どちらかっていうと送電してる電圧とか見てくれた方が、まぁ……仕事してる、甲斐というか、鉄塔としての矜持というか。そういうのがあるので、よければうちらの働き振りを見ていただければなと思います。立ってるだけやけどね。

緑ノ:

今後の活動方針は?

No.47:

まー……気長に、焦らずじっくりと。電気を運びつつ、メディアにも出ていこうかなと思ってますね。プラモとかね、本当に出してもろてええので。ね、BAN○AIさん。頼んますよ。(笑)

鉄塔に対して偏見があったかもしれないが、明るく朗らかで、終始和やかなムードでインタビューは終わった。47さんは「ピリついた空気にならんように心がけてます。僕高圧(電流)流れてるんですけど」と答え、また、インタビュアーに向けても「ええ帽子やね。僕も烏帽子なんですよ」とジョークを放っていた。少しだけ空気が寒くなったのはきっと彼がひやりとした鋼管素材で作られているからだろう。

記:緑ノごまむぎ