ガチャから学ぶ反復試行の確率での認識のずれ

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最近体のどこかが痛いです。老化ですかね。どうもPeshka.net鮎川です。

 

今回は私の好きなものについてお話します。題名にもある通り「確率」です。とはいっても学校で習うような話はしません。皆さん大好き、ガチャの確率です。先に言っておきます。この記事を書くにあたって頑張って調べて書いていますが、間違っている可能性もあるのでご了承ください。では早速本題に移ります。

 

ガチャの確率でよく言われるのが「排出率1%のガチャを100回回せば基本当たるんじゃないか」みたいなやつです。実際計算してみると1回以上当たる確率は63.4%ほどですので意外に当たらないときもありますね。

はずれを引くのが99%なのでそれを100回繰り返すこと以外はあたりが1回以上当たる

 

そこで疑問が出てきました。排出率1%のガチャを何回回せば1回以上当たる確率が9割や9割9分を超えるのか、というものです。皆さんも予想してみてください。

 

計算したところ、1回以上当たる確率が9割を超えるのは230回、9割9分を超えるのは459回という結果でした。予想よりも多かったのではないでしょうか。私はもっと少ないと思っていました。459回って天井があるゲームならとっくに天井むかえてそう。恐ろしいですね。

ぎり9割超えないのが229回
ぎり9割超えるのが230回
ぎり9割9分超えないのが458回
ぎり9割9分超えるのが459回

 

これは排出率1%でもデータですが、排出率3%ならどうでしょう。100回回して1回以上当たる確率は95.2%ほどです。1%の時と全然違いますね。1回以上当たる確率が9割を超えるのは76回でした。これに関しては私自身も結構確率が高いなと驚きました。

ぎり9割超えないのが75回
ぎり9割超えるのが76回

 

では100回回せば基本当たる確率ってどれぐらいなんでしょうか。そのためには基本当たる、というのがどれぐらいの確率なのかを決める必要があります。今回は基本当たるというのを99%以上だとします。100回引いて1回以上当たる確率が99%を超えていれば基本当たるといえる、ということですね。

 

計算したところ下の画像のようになりました。100回引いて1回以上当たる確率が99%を超えるのは排出率が4.6%からという結果になりました。正直4.6%で当たるガチャなんてないんで基本この計算は意味をなさないですね。

ぎり9割9分を超えていない
ぎり9割9分を超えている

 

少し話が逸れましたが、排出率が1%であれ3%であれ私たちとの感覚とずれてますよね。何故なんでしょう。

 

現実世界でも私たちの感覚とずれる確率は存在します。例として結構挙げられるのは検査薬の問題ですね。「ある病気の検査薬があり、全体の1%が発症しているとします。その検査薬は陽性と判定されたとき99%の確率で陽性です。逆に陰性と判定された99%のは陰性です。陽性と判定された場合、本当に陽性である確率は?」という問題です。

 

図を書けばわかりますが、答えは50%となります。99%の確率で正しい結果が返ってくる検査薬があったとしても、陽性である可能性は50%とかなり低くなります。これも感覚とはかなりずれた結果ですね。どうやって精度99%とか分かるのかは知りませんので、現実味がないかもしれませんがそれはおいておきます。

 

なんでここまで感覚や直感とずれが生じるんでしょうか。

 

私の考えは、%というものが何に対しての確率なのか、条件付確率と言われるものです。Aという条件下で○○となる確率、これはAという条件をしっかり理解しないとずれが生じます。検査薬の問題はこれに当たります。今回の本筋ではないのでこれ以上説明はしません。

 

ガチャの問題に関しては、ガチャの中身が無限であることや排出率1%というものの意味がずれを引き起こしていると考えられます。

 

この場合を考えてみてください。まず10本のくじがあり、あたりは1本です。引いたくじは中に戻しません。10回引いて当たりがでる確率は、もちろん100%です。全部中身を引けば必ず当たります。1ロット買いみたいな感じです。ちなみに1番くじの1ロット買いは6万ぐらいかかります。

 

次に引いたくじを中に戻すとします。こうなると10回引いて当たりがでる確率は100%ではなくなります。式は下の画像のようになり、65%ほどとなります。これがガチャです。くじを戻すという作業は当たりの排出率を一定に保っています。

 

そしてここから、ガチャの排出率1%の意味を考えます。まず最初に計算した通り、100回引けば1回当たるぐらいは違います。少なくとも今回決めた99%以上当たる、には含まれていないので。2/3ほど当たれば基本あたる?そんなに当たらないんよ…

 

なので私はこう言い換えます。100個の中に1個当たりがある、と。「事実を述べただけでしょ」 こう思った方もいるかと思います。

 

それ、正解です

1%を100回引けば1回当たるぐらいの確率というのはただの推測でしかありません。もしくはくじが有限で数がそこまで多くなく、引いたくじを戻さないときにしか通用しない認識です。1%の意味するところは100個の中に1個当たりがある、ただそれだけです。

 

私はプログラムに詳しくありませんし、ましてゲームのガチャのプログラムなんて知りません。ガチャがどういった仕組みで排出するものを決定しているのか分かりませんが、1%が持っている意味は先ほどのものです。

 

私は無限というものを完璧に理解することはとても難しいと思っています。何故なら無限のものが私たちの現実に存在しないからです。全ての整数の個数と2の倍数の個数って同じなんですよ。知っている方にとっては当たり前なんですが、知らない方は違和感があるでしょ?こんな風に無限って理解しにくいんですよ。

 

ですが、ガチャというものはあたりもはずれもプログラムが続く限り、プログラム上で無限に存在します。1回、100回、10000回引いたからってはずれの数は変わりません。はずれを引いたからあたりの確率が上がるなんてこともないです。引いたくじは戻していませんが、戻していた場合と同じことが起きているということです。

 

ずれの原因は排出率1%の意味に、本当の意味に加えて持っていない意味まで含めて認識している持っていない意味はくじが有限で数が少なく引いたものを戻さない時に当てはまることでありくじが無限のガチャや引いたくじを戻す場合には当てはまらないということ。これが私の結論です。

 

最後に簡単にできる1%のガチャを皆さんに教えます。100連もできるのでやってみてください。

 

まず「乱数」と検索し、乱数を出してくれるサイトに飛びます。別にどのサイトでもいいですし、Excelでもいいです。乱数がある程度の個数を一気に生成できる方がいいです。そして次に1~100の中の整数を適当に1個決めます。私は一桁の方が見やすいのでいいと思いますが、何でもいいです。最後に1~100の範囲で乱数を1個生成します。自分の決めた数字と同じであるのが1%です。乱数を100個生成して自分の決めた数字がある確率が63.4%です。ここで注意ですが、数字の重複はありにしてください。決めた数字が出てこないことも割とあることが分かります。

 

いかがだったでしょうか。この記事を読んで「確率って面白い」 と少しでも感じていただけたら幸いです。もしよろしければいろんな記事を書いておりますので他の記事も読んでいただけると幸いです。それでは他の記事で会いましょう。

 

 

コインを100回投げて表50回裏50回になる確率は約8%