SCP-1022-Pe

記事
“海”を眺めるSCP-1022-Pe

アイテム番号:SCP-1022-Pe

オブジェクトクラス:Euclid

特別収容プロトコル:SCP-1022-Peはその性質上、収容施設を必要としません。その異常性が外部に向けられることがないよう、Dクラス以上の職員が南側から追尾カメラにて監視を続けてください。SCP-1022-PeがSCP-1022-Pe-aから姿を消した場合、SCP-1022-Peの「家」を監視対象とし、SCP-1022-Peの再出現まで監視を続けてください。また、SCP-1022-Peの再出現までのインターバルは不定であり、確実な期間はありません。

SCP-1022-Peは過去3度の消失を経ています。どのような場合においてもSCP-1022-Pe-a内に立ち入らないでください。

説明:SCP-1022-Peはその多くは2〜2.5頭身の、ヒトをデフォルメしたかのような見た目をしています。SCP-1022-Peの出現時、その近辺に50m〜■■mまで未知の植物で囲まれた「壁」が出現します。壁内には最大10軒の住民の家と、博物館や役場などの人工的な建築物が存在しており、また、その全ての建築物において空間的な異常が確認されています。

壁内をSCP-1022-Pe-a、SCP-1022-Peを除くSCP-1022-Peに似た生命体をSCP-1022-Pe-bとそれぞれ表記します。

SCP-1022-Pe-aはおおまかに四角形をした「村」あるいは「島」にて構成されており、■種の既知の動植物が確認されているにもかかわらず、その動植物が分布する環境とはかけ離れたものであると考えられています。

SCP-1022-Pe-bは数パターンの形状が存在することが確認されており、そのほとんどが現存する動物の姿を模しています。SCP-1022-Pe-bとSCP-1022-Peはコミュニケーションを取ることができますが、SCP-1022-Pe-bの発する言語を正しく聞き取ることは困難です。SCP-1022-Peは言語を発することはなく、口を開閉させ身振り手振りで対話を続けます。

こちら側からSCP-1022-Pe及びSCP-1022-Pe-bとコミュニケーションを取ることはできません。すべてのケースにおいて聞こえていないようなそぶりを見せます。

SCP-1022-Peは20■■年4月14日に日本の■■府■■市と同じ座標に”展開”されました。10GHz〜■■GHz帯を観測できるレーダーにて認識できましたが、視認できなかったためレーダーの異常として処理されました。しかしその後同一の座標にもう一度認識できたため、オブジェクトSCP-1022-Peと定めました。

当初は次元の歪みを発生させるオブジェクトとして認識されていましたが、20■■年に「次元の歪みの中にもう一つ街がある」という職員の報告を受けたエージェント■■がSCP-1022-Pe-aを発見。その後特殊なカメラを用いた上空からの監視を続けていました。



研究記録-1022-Pe-01

担当者:緑野研究員
SCP-1022-Peは使用する道具をすべてポケットの中に仕舞い込む。オノとかスコップとか、釣り竿みたいな長いものだって不思議と収める。空間圧縮はSCP-1022-Pe-aの至る所で見られるし、もしかしたらこの次元内のデフォルトなのかもしれない。
それはそうと物を食わずに動き続けるエネルギーはどこで生まれてるんだろうか。ちょっと羨ましい。

結果:SCP-1022-Peは果実を摂取したのち通算で75時間動き続けた。
分析メモ:排泄の必要も無いようなので、永久機関でも体の中に埋め込まれているのだろうか。

研究記録-1022-Pe-12

担当者:緑野研究員
SCP-1022-Peが2日間家から出てきていない。様子を見ることもできない。監視を続ける。

分析メモ:SCP-1022-Pe-a内にはいつの間にか発生した草のような何かが増えている。SCP-1022-Peの役目は一体なんなのか。

研究記録-1022-Pe-18

担当者:緑野研究員
SCP-1022-Peが一週間ぶりに外に出たと思ったらまた家に篭った。行動が一切読めないな。

研究記録-1022-Pe-30
担当者:緑野研究員
SCP-1022-Pe、出現せず。草が増えている。

研究記録-1022-Pe-82
担当者:緑野研究員
SCP-1022-Pe、出現せず。草が増えている。

研究記録-1022-Pe-112
担当者:緑野研究員
SCP-1022-Pe、出現せず。大型の花が出現。

研究記録-1022-Pe-178
担当者:緑野研究員
SCP-1022-Pe-aが突然消えた。SCP-1022-Peもだ。どうなってんだ。

結果:SCP-1022-Peがレーダー上から消滅。SCP-1022-Pe-aやSCP-1022-Pe-bも同じく反応が消えた。


SCP-1022-Peの反応の消失を確認。オブジェクトクラスをEuclidからNeutralizedに変更。

アイテム番号:SCP-1022-Pe

オブジェクトクラス:Euclid Neutralized



研究記録-1022-Pe-179
担当者:緑野研究員
SCP-1022-Peを観測。SCP-1022-Pe-aやSCP-1022-Pe-bも出現。
研究を再開できるようにカメラとレーダーを揃えなくちゃならない。
掛け合ってみる。

結果:過去SCP-1022-Peは消失したが回帰した。SCP-1022-Peに付随したいくつかの要素が異なっているが、おおよそ同じであった。
分析メモ:新しいアイテム番号を割り振る案もあったが、これはSCP-1022-Peが戻ってきたとしか言えない。今度は消失を免れることができるだろうか。

研究記録-1022-Pe-184
担当者:緑野研究員
SCP-1022-Peは依然として”作業”を続けている。以前出現したSCP-1022-Peと比べると一度の出現時間が伸びている気がする。消失した件と何か関係があるのだろうか。

結果:消失前のSCP-1022-Peと比べると1日あたりの活動時間が約45~120分程度延びていることが確認された。
分析メモ:一度消失したことによって生態が変わったのかもしれない。SCP-1022-Pe-aには出現場所・消滅場所が共に不確定な飛行物も散見されるようになった。今まで以上に注意深く見ないといけない。

研究記録-1022-Pe-198
担当者:緑野研究員
SCP-1022-Pe-aの奥に関門があるのはわかるか。あれは一体何なのかずっと疑問だった。もしかしたら別個体のSCP-1022-Peがいるんじゃないかとずっと思っていた。
まさか、その通りだとは。

結果:SCP-1022-Pe-a内にSCP-1022-Peに酷似した個体が”連れ込まれた”。SCP-1022-Pe-cと認定。
分析メモ:SCP-1022-Peがわからない。こんなこと言っていいのかわからんが少なくとも他のSCiPより読み解けることが少ない。
奴らがなぜこんな箱庭の中で暮らしてるのか、なぜ我々の世界と干渉できないのか。どうとでも理由がつけられそうだが、どうにも理由をつけられない。

研究記録-1022-Pe-228
担当者:緑野研究員
またか。嫌な予感はしていたんだ。数ヶ月前からSCP-1022-Peの姿が見えなくなっていたからな。また生まれてくれるだろうか。

結果:SCP-1022-Pe-aは消失。付随してSCP-1022-Pe及びSCP-1022-bも消失した。
分析メモ:SCP-1022-Peが消失する前に長期に渡った無観測日が続くことがわかった。




研究記録-1022-Pe-229
担当者:緑野上級研究員
SCP-1022-Peが復活した。

結果:前回、前々回同様全く同じ座標にSCP-1022-Peの領域が展開された。地形の変更が見られる。またSCP-1022-Peの身体的変化も見られ、観測した職員によって「頭身が上がった」と表現された。
分析メモ:地形の隆起、空間の圧縮がより顕著になっている。異常性が他者へ向けられることがないのが救いか。

研究記録-1022-Pe-234
担当者:緑野上級研究員
SCP-1022-Pe-aの南南西役■■mに”島”が出現。SCP-1022-Pe-aと同様独自の生態系が構築されている。SCP-1022-Peは以前にも増して精力的に活動しているように見られる。

結果:SCP-1022-Peの活動時間が以前よりも90分前後延びている。SCP-1022-Peは変わらず無摂食で活動できているようだが、消失の理由と結びつけるのは早計と思われる。
分析メモ:SCP-1022-Peは水中でもある程度活動ができるようだ。もしかしたら遺伝子的にヒトに近いのか……?


研究記録-1022-Pe-234を受け、財団はSCP-1022-Pe-a内への侵入を、小型無人探査機「Third Dimension Scheme」を用いて試みた。

実験記録-1022-Pe-1
日付:20■■年■月■日
担当者:緑野上級研究員

内容:小型無人探査機「Third Dimension Scheme」(以下、3DS)にてSCP-1022-Pe-a内に侵入。SCP-1022-Peが活動する時間帯を避け、フィールド内を探索。3DSが活動できる環境かどうかの確認。

結果:SCP-1022-Pe-aを3DSは問題なく移動可能。数種のSCP-1022-Pe-bとの接触を試みたが関心を示さなかった。
実験記録-1022-Pe-2
日付:20■■年■月■日
担当者:緑野上級研究員

内容:小型無人探査機3DSにてSCP-1022-Pe-a内に侵入。SCP-1022-Peとの接触を図る。

結果:SCP-1022-Peが3DSを認知したような行動を検知。その場でSCP-1022-Peは姿を消した。
その後SPC-1022-Peは3度目の消失を起こした。

3DSは消失の際に損壊したため、改修作業を続けています。

実験-1022-Pe-2以降、SCP-1022-Peとの物理的接触は推奨されていません。

現在SCP-1022-Peは前例のSCP-1022-Pe-aとは環境が異なった”島”にて活動を続けています。

SCP-1022-Pe-cの多数の出現報告、SCP-1022-Peの手によるSCP-1022-Pe-aの地形操作等を確認しているため、SCP-1022-Pe-a内に侵入すること自体を現在は禁止しています。

SCP-1022-Peがこちらを認識したような動きをした場合は緑野博士に報告してください。